福原栄子展

『哲学者と青い星』
漆黒の闇に浮かぶ青い星は、大きなスクリーンをとおして、潤っていてみずみずしく、もやもやとした大気や水分は、生きているような紋様を次々と創ってみせた。このうるわしい中に在ったのかと、何か、もうしわけなく感じた。美についてをご教示くださる哲学者の、その哲学の流れ出す、ひくく穏やかに、ふるえる声が、もう一度響いたような気がした。

脱活乾漆法“だっかつかんしつほう”（奈良時代に伝わった造像技法）による立体造形。
奇襲的豪雨など日常からのイメージによる抽象表現の造形作品、新作約7点。