太田由美 個展「愛と毒」

「愛と毒」
わたしは絵の中によく陰陽のモチーフや、対極にあるものを描くことが多いので
すが、それは自分が生きている世界や、見えている世界が、美しいだけでもな
く、汚いだけでもなく、温かいだけでもなく冷たいだけでもなく、危ういだけで
もなく心地よいだけでもなく、色んな要素が交ざりあって美しくて強くて危うい
色彩を放っているように小さい時から見えていました。

それはうまく言葉にできなくて、ふんわり柔らかいものの中に毒があったり、毒
の中に優しさが滲みでていたり、そういう言葉にならない思いを描きつづけて来
ました。いつも自分の中には「愛と毒」というテーマがあり、絵を愛しつづけ、
毒を愛しつづけて来ました。いつかこのタイトルで個展をやろう、もう何年も前
からそう決めていました。

今回やっと、「愛と毒」というタイトルの絵が描けたこともきっかけになり、
このタイトルで個展を開催したいと思います。たくさんの愛と、血の通った毒を
盛ってお待ちしていますので、ぜひ遊びにいらしてください。