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大友 一世
「目蓋を焦がす、だいだいの痒み」 絵画でありながら、まるで一反の生地を遊ぶように、スクエアを非スクエアとするようなフォルムが色相で描き出されている。 それらは抽象性、具象性、様々なモチーフに違わず、常に内界からの熱を感じさせる。 櫻井 鮎美 「border」 穏やかな印象をたたえる淡い色彩に目が止まる。 この色彩は、実際に見ることによらねば、真に知ることは難しい。 考慮された構図に支えられ、穏やかさや静寂、優しさといった、内面性がにじむ色遣いが目に嬉しい。 安田 知美 「lady do do」 かつてアンチンボルドは果物や花で顔を描くことを試みたが、ここにある人と動物、花などの融和には、彼の珍奇さや謎めいた要素とは異なったパズルとエロスがある。 そこには野卑もなく、可憐な魅力すらある。 伊波 りょう 「毒欲」 ベニテングタケを傘にするように彼方を眺める女性。 このキノコは毒キノコ。毒は一見すると、人に甘美な誘惑を与える時がある。コケティッシュな作風の淵には、モチーフとは別のポイズンやアイロニーが潜んでいる。 文・森原英郎(西山美術館学芸員)
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