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「思潮社と現代詩の豊穣な展開」
「戦後詩」と長く呼称されて来たことが示すように、日本の現代詩は、戦争という巨大な災厄と破壊の後、突如として現出した空漠たる文学空間へ若い詩人たちがエネルギーを解き放つかたちで始まりました。 戦争が国土や人々の心に残した深い傷跡を見つめつつ、新しい詩人たちは、自国の過去の文学や思想を批評的にとらえ直し、欧米の詩と詩人の翻訳・紹介を活発に試み、さらには美術・音楽・舞踏などにおける先端的な試みからも多くの刺激を得て、他の国にもあまり例を見ないほどの詩の豊穣と混沌を生み出して行ったのです。 詩がそうした熱い坩堝と化していたさなかの1959年、小田久郎氏が思潮社を立ち上げ、「現代詩手帖」を創刊しました。以後、昭和から平成へ、そして 2000年代へ、半世紀にわたって「手帖」は現代詩の新たな展開の中心にあって、その最もスリリングな<現場>からの発信を続けて来ました。そしてこの小さな版元からは、日本の現代詩史に燦然とかがやく幾多の詩集が、続々と刊行されることになります。 小さな詩書の出版社が、これほど長く、大きな影響力を発揮し続けて来たことは、実に驚くべきことです。 この「思潮社フェア」では、同社の刊行になる詩集、評論、そして「現代詩手帖」のバックナンバーを可能な限り取り揃え、この50年の詩の展開と現在の光景がリアルに立ち上がる構成を試みました。日本語の富が凝縮された刺激的なフェアへ、ぜひ足をお運び下さい。 ■場所 紀伊國屋書店新宿本店5階 人文書売場A階段横壁棚 ■会期 2009年5月18日(月)~6月22日(月) ■お問合せ 紀伊國屋書店新宿本店 03-3354-0131
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