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月曜日・火曜日休廊
私たちの日常は、自ら選べなかった「誕生」と後に続く生の延長線上に営まれている。その中で私たちは多くのものを他者に渇望し、そして断念もしている。 雫石の作品は短いながら彼女のその生の濃密な記録である。様々なモチーフによって暗示される自らへの嫌悪と他者からの愛情に対する諦念の予感。その表現の根幹をなすのは、臍の緒と女性像に象徴される「母と娘の間にある愛情の葛藤」や「無償の愛を注ぐ者と自分との絆への希求」である。 画面から立ち上がる同化と異化の表出は、生硬で常套の形容詞を容易に受け付けないが、その色彩は柔らかく美しい。 「叫び」になる事をよしとせず、今の自分のありようを確認しようとする作家の視線は冷めている。 にもかかわらず作品に対峙する時、私たちは画面から横溢する作家のバイタルなエネルギーに圧倒されるであろう。 ギャラリー・フェイス トゥ フェイス代表 山本 清
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