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美術評論を主軸としながら、マンガや演劇、芸能、果ては「ガラクタ」の類にまで論の対象を広げた評論家、石子順造(1928年〜1977年)。彼の眼を通じて1960年代から1970年代にかけての、ひいては日本の文化を眺め、見直す展覧会です。展示冒頭では赤瀬川原平など、石子が論じた作家たちを紹介します。自身がかかわった「トリックス・アンド・ヴィジョン展」(1968年)も一部再現。また、石子は生活に密着した表現としてマンガを意欲的に論じました。本展ではつげ義春『ねじ式』原画全一話分の初公開などでその世界にふれます。さらに、石子の活動期後半を集約するのがキッチュ論です。石子は造花や銭湯の背景画といった幅広い民衆の表現をこの用語で論じました。時代を駆け抜けた評論家の世界を、いま改めて見直す貴重な機会となります。
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